働くということに、本来、派遣や請負、正規や非正規といった区別はありません。派遣や請負という区別は、働く人たちが自分で作った区別ではなく、人を使う側、雇う側の都合で作り上げたものです。
派遣請負センターは、派遣や請負の知識を広めるためのセンターではありません。派遣請負という働かせる側の区別を拒否するセンターです。だから、派遣請負で働く人たちだけのためのセンターでもありません。そして派遣・請負と区別されてしまった人たちの労働条件の向上なくしては、すべての労働者の労働条件の向上はありません。だからセンターはすべての働く人たちのために結成されたセンターです。
働くすべての人のための活動、これは労働組合の目的であります。センターはすべての労働組合の根本的な目的のために運動を広めていく必要があり広めたいと思っています。
仲野 組子(同志社大学非常勤講師)
派遣・請負の先進国とも言うべきアメリカ合衆国では、非正規雇用のセンターとしてNAFFE(North American Alliance for Fair Employment=北アメリカ公正雇用同盟)が、1998年ごろ設立されています。調査、情報の収集、ニュースの発行、各傘下の団体の闘いの紹介・キャンペーン、冊子・論文の発行などを精力的に行い、派遣・請負、日雇い、パートタイマーなどの非正規雇用労働者を援助しています。
日本の派遣・請負センターもホームページやネットを有力な武器として、日本ばかりでく、世界の人々に日本の労働者の状況と闘いを知らせ、多くの団体や個人の連帯の場、闘いの基盤となることを期待しています。
萬井 隆令(龍谷大学法科大学院 教授)
派遣や業務請負の最大の問題は、やはり、派遣先や請負の発注元が、自ら指揮命令して労働者を就労させながら、当然とるべき使用者としての責任をとらない、ということであろうと思います。
そのような事態は、本来は職業安定法44条によって、労働者供給事業として禁止されてきたことですし、現在でも、それが基本法であることに変わりはありません。
したがって、特に違法派遣や業務請負が偽装である場合には、派遣先や請負の発注元は、単に職安法や派遣法に違反するというだけでなく、法の本来の在り方に立ち戻って、使用者としての責任をとるべきであろうと考えています。
ただ、そのような理論も、それを運動に活かす労働者の人達の力なくしては現実のものとなることはできません。その意味で、派遣・請負センターの発足と今後の活動を大いに期待しています。